みなさん、こんにちは。株式会社ソウアです。
マンションにお住まいの皆様、毎日使っている水道水がどこから来ているか、考えたことはありますか?

実は多くのマンションでは、水道本管から供給される水を一旦「貯水槽」に貯め、そこからポンプで屋上の「高架水槽」に汲み上げ、重力により各戸に配水しています。
つまり、蛇口から出る水は、必ず貯水槽と高架水槽を経由しているのです。
この貯水槽・高架水槽は、水道法により年1回以上の清掃が義務付けられています。しかし「なぜ清掃が必要なのか?」「清掃しないとどうなるのか?」を具体的にご存知の方は少ないかもしれません。
株式会社ソウアでは、清掃・メンテナンスで入っているマンションの貯水槽・高架水槽の清掃点検も担当しています。貯水槽清掃作業監督者の資格を持つスタッフが、法令に基づいた適切な清掃を実施しています。
今回は、現場で実際に見てきた貯水槽の実態から、なぜ清掃点検が必要不可欠なのか、4つの重要な理由を詳しく解説します。

①法的義務:水道法で年1回以上の清掃が義務付けられている
●水道法による厳格な規定
貯水槽の清掃は、単なる「やった方がいい」レベルの話ではありません。水道法第34条の2および建築物衛生法(ビル管理法)により、明確に義務付けられています。
●水道法第34条の2
簡易専用水道(貯水槽の有効容量が10㎥を超えるもの)の設置者は、厚生労働省令で定める基準に従い、その水道を管理しなければなりません。
この管理基準の中に、「貯水槽の清掃を1年以内ごとに1回、定期的に行うこと」が明記されています。
●建築物衛生法第4条
延べ床面積3,000㎡以上の特定建築物(多くの大型マンションが該当)では、より厳しい衛生基準が適用されます。
●清掃を怠った場合の罰則
法律で義務付けられているということは、違反すれば罰則があるということです。
●行政指導
保健所による立入検査で、清掃が適切に行われていないことが判明した場合、まず改善指導が行われます。
●改善命令
指導に従わない場合、改善命令が出されます。
●罰則
改善命令に従わない場合、100万円以下の罰金が科される可能性があります(水道法第54条)。
また、万が一貯水槽の不衛生が原因で居住者に健康被害が発生した場合、マンション所有者や管理組合の民事責任・刑事責任が問われる可能性もあります。
●定期検査報告義務
簡易専用水道では、年1回以上の清掃に加えて、登録検査機関による「定期検査」を受け、その結果を保健所に報告する義務もあります。
この検査では、以下の項目がチェックされます。
水質検査(一般細菌、大腸菌、pH、濁度、臭気、味、色度など)
施設の外観検査
管理状況の確認
清掃を適切に行っていないと、この検査で不合格となり、改善指導を受けることになります。
◆小規模貯水槽も清掃が必要
有効容量10㎥以下の小規模貯水槽(小規模貯水槽水道)は、水道法の簡易専用水道には該当しませんが、多くの自治体が条例で清掃を義務付けています。
例えば、東京都では「東京都小規模貯水槽水道等における安全で衛生的な飲料水の確保に関する条例」により、10㎥以下の貯水槽でも年1回以上の清掃が義務付けられています。
つまり、大小を問わず、貯水槽がある建物では清掃が必要なのです。
◆コンプライアンスの観点
法律を守ることは、社会的な責任です。特にマンション管理においては、居住者の健康と安全を守る立場にあります。
「清掃しなくてもバレないだろう」
「今まで問題なかったから大丈夫だろう」
このような考えは、非常に危険です。法令遵守(コンプライアンス)の観点からも、定期的な清掃は必須です。

②健康被害のリスク:汚染された水が病気の原因に
●貯水槽の汚れの実態
「密閉されたタンクなのに、なぜ汚れるの?」と思われるかもしれません。しかし、貯水槽内部には、想像以上に様々な汚れが蓄積します。
●沈殿物(ヘドロ)
水道水には、微量ながら不純物が含まれています。鉄分、カルシウム、マグネシウム、砂、錆などが、長時間かけて底部に沈殿し、ヘドロ状になります。
実際に貯水槽を清掃すると、底部に数センチの厚さでヘドロが堆積していることも珍しくありません。色は茶色から黒色で、ぬめりがあり、悪臭を放ちます。
●壁面の汚れ
貯水槽の壁面には、水位の変動により「水垢」が付着します。また、微生物の死骸や排泄物などが壁面に張り付いていることもあります。
●藻類の発生
貯水槽は基本的に遮光されていますが、わずかな光が入る隙間があると、藻類が発生することがあります。水が緑色に濁る原因となります。
●虫や小動物の侵入
マンホールの隙間、通気口、オーバーフロー管などから、虫や小動物が侵入することがあります。
過去には、貯水槽内でネズミやハト、ヘビの死骸が発見された事例もあります。これらが水中で腐敗すると、想像を絶する不衛生な状態になります。
●レジオネラ菌の危険性
貯水槽で特に警戒すべきなのが、「レジオネラ菌」です。
レジオネラ菌は、20〜50℃の水温で繁殖する細菌で、エアロゾル(霧状の水滴)として吸入すると、重篤な肺炎(レジオネラ肺炎)を引き起こします。
厚生労働省の統計によると、レジオネラ症の患者数は年間約2,000人以上報告されており、死亡率は約5〜10%と高いのが特徴です。
・レジオネラ菌が繁殖しやすい条件
水温が20〜50℃
水の滞留時間が長い
バイオフィルム(ぬめり)が形成されている
鉄分やスケールなどの栄養源がある
貯水槽は、これらの条件を満たしやすい環境です。特に、清掃を怠り、底部にヘドロが堆積し、壁面にぬめりが付着した状態では、レジオネラ菌の絶好の繁殖場所となります。
●その他の病原菌
レジオネラ菌以外にも、貯水槽で繁殖する可能性のある病原菌があります。
・大腸菌
糞便汚染の指標となる細菌。貯水槽に動物の死骸などが混入すると、大腸菌が検出されることがあります。食中毒の原因となります。
・一般細菌
水道法の水質基準では、「一般細菌は1mlあたり100個以下」と定められています。汚染された貯水槽では、この基準を大きく超える細菌が検出されることがあります。
・クリプトスポリジウム
原虫の一種で、感染すると激しい下痢を引き起こします。塩素消毒に対する耐性があるため、厄介な病原体です。
●健康被害の実例
実際に、貯水槽の汚染が原因で健康被害が発生した事例があります。
・某ホテルでのレジオネラ集団感染(2002年)
貯水槽の管理不備により、レジオネラ菌が繁殖。循環式浴場を通じて多数の宿泊客が感染し、死者も出ました。
・某マンションでの水質汚染(2015年)
長年清掃されていなかった貯水槽で、ネズミの死骸が発見されました。居住者から「水が臭い」「お腹を壊した」という訴えが相次ぎました。
これらは氷山の一角です。軽度の体調不良であれば、貯水槽が原因と気づかないまま過ごしていることもあります。
●特にリスクの高い人々
貯水槽の汚染による健康被害は、特に以下の方々にとってリスクが高くなります。
乳幼児
高齢者
免疫力が低下している方
基礎疾患のある方
これらの方々は、細菌に対する抵抗力が弱いため、重篤な症状を引き起こしやすくなります。
マンションには様々な年齢層、健康状態の方が住んでいます。すべての居住者の安全を守るためにも、貯水槽の清潔さは絶対に守らなければなりません。

③水質の悪化:見えない汚染が生活を脅かす
●蛇口から出る水の異変
貯水槽が汚染されると、蛇口から出る水に様々な異変が現れます。
●濁り
貯水槽底部の沈殿物が巻き上げられたり、錆が混入したりすると、水が白く濁ったり、茶色く濁ったりします。
朝一番の水や、長時間使用していなかった水栓から出る水が特に濁りやすくなります。
●異臭
貯水槽内で細菌や藻類が繁殖すると、水に異臭が発生します。
カビ臭い臭い
生臭い臭い
土臭い臭い
薬品のような臭い
特に夏場、水温が上昇すると、臭いが強くなる傾向があります。
●異味
汚染された水は、味も変わります。
鉄っぽい味
苦い味
渋い味
カルキ臭が強い
飲料水として使用するのはもちろん、料理に使う水の味が変わると、食事の味も落ちます。
●色の変化
錆や藻類の影響で、水が茶色や緑色に変色することがあります。
白いシャツを洗濯したら茶色く変色した、浴槽に張った水が緑がかっているなど、生活に直接影響します。
●水質検査で分かる汚染
目に見える異変がなくても、水質検査を行うと、汚染が判明することがあります。
●一般細菌の増加
水道法の基準では「1mlあたり100個以下」ですが、汚染された貯水槽では、数千個、数万個と検出されることがあります。
●大腸菌の検出
水道法では「検出されないこと」が基準ですが、貯水槽が汚染されていると、大腸菌が検出されることがあります。これは糞便汚染を意味し、非常に危険です。
●pH値の異常
水道法の基準では「pH5.8〜8.6」ですが、貯水槽内で藻類が繁殖すると、pHが異常値を示すことがあります。
●濁度の上昇
水道法の基準では「2度以下」ですが、貯水槽の汚れにより濁度が上昇します。
鉄分・マンガンの増加
貯水槽や配管の錆により、水中の鉄分やマンガンが増加します。これが水の着色や異味の原因となります。
●日常生活への影響
水質が悪化すると、日常生活の様々な場面で不便や不快を感じるようになります。
・飲料水としての問題
そのまま飲むことに抵抗を感じ、ミネラルウォーターを購入する費用がかさみます。
・料理への影響
米を炊くと臭い、お茶やコーヒーの味が悪い、料理の味が落ちるなど、食生活全般に影響します。
・洗濯への影響
水の色や臭いが衣類に移り、白い衣類が変色することもあります。
・入浴への影響
浴槽に張った水が汚れていると、入浴が不快になります。肌の弱い方は、肌荒れの原因になることもあります。
・給湯器への影響
水質が悪いと、給湯器内部にスケール(水垢)が付着しやすくなり、故障の原因となります。
●居住者の不満と資産価値の低下
水質が悪いマンションは、居住者の満足度が大きく低下します。
「水がまずい」
「水が臭い」
「水道水が信用できない」
こうした不満が蓄積すると、退去につながり、空室率が上昇します。
また、賃貸募集時や売却時にも、「水質が悪い」という評判は大きなマイナス要因となり、マンションの資産価値を下げる原因となります。
株式会社三井住友トラスト基礎研究所の調査によると、設備管理が不適切なマンションは、適切に管理されているマンションと比較して、資産価値が10〜20%低下するというデータがあります。
◆見えない汚染こそ危険
最も危険なのは、「見た目はきれいだから大丈夫」と思い込んでしまうことです。
水が透明で、臭いもなければ、一見問題ないように見えます。しかし、細菌やレジオネラ菌は目に見えません。水質検査をしなければ、汚染に気づけないのです。
「今まで問題なかったから」という理由で清掃を怠ることは、非常に危険です。定期的な清掃と水質検査により、見えない汚染から居住者を守る必要があります。

④設備の劣化と故障:放置すれば高額な修理費用が発生
●貯水槽内部の腐食
貯水槽の材質は、ステンレス、FRP(繊維強化プラスチック)、コンクリートなどがあります。どの材質でも、長期間清掃しないと、内部が劣化していきます。
●ステンレス製貯水槽の腐食
ステンレスは錆びにくい材質ですが、水中の塩素や不純物により、表面が徐々に腐食します。特に溶接部分や傷がついた部分から錆が発生しやすくなります。
腐食が進むと、穴が開いて水漏れの原因となります。
●FRP製貯水槽の劣化
FRPは軽量で施工性が良い材質ですが、紫外線や経年劣化により、表面が剥離したり、ひび割れたりすることがあります。
また、内部の汚れが付着すると、清掃時に強くこすることで表面が傷み、さらに汚れが付着しやすくなるという悪循環に陥ります。
●コンクリート製貯水槽の劣化
古いマンションに多いコンクリート製貯水槽は、内部の防水層が劣化すると、コンクリート自体が水を吸収し、アルカリ成分が溶出します。これが水質に影響します。
また、ひび割れが発生すると、そこから外部の汚染物質が侵入する危険があります。
●配管や部品の劣化
貯水槽に付属する配管や部品も、汚れや腐食により劣化します。
●ボールタップの故障
水位を調整するボールタップが、スケールや汚れにより固着すると、水位調整が正常に機能しなくなります。
水が止まらずにオーバーフローし続ける、逆に水が供給されなくなるといったトラブルが発生します。
●電極の汚れ
水位を感知する電極が汚れると、正確な水位検知ができず、ポンプが空運転したり、停止したりします。
ポンプの空運転は、ポンプ自体の故障原因となります。
●配管の詰まり
貯水槽からの配管に沈殿物が堆積すると、配管が詰まり、水の流れが悪くなります。
最悪の場合、配管を交換する必要があり、多額の費用がかかります。
●オーバーフロー管の詰まり
オーバーフロー管が詰まると、水があふれた時に排出できず、水浸しになる危険があります。
●ポンプへの影響
貯水槽の水質が悪いと、そこから水を汲み上げるポンプにも悪影響があります。
●スケールの付着
水中の不純物がポンプ内部に付着し、効率が低下します。ポンプの寿命が短くなり、電気代も増加します。
●異物の吸引
貯水槽内の沈殿物や錆がポンプに吸い込まれると、羽根車が損傷し、故障の原因となります。
●キャビテーション(空洞現象)
汚れにより水の流れが悪くなると、ポンプ内部でキャビテーションが発生し、異音や振動、最悪の場合はポンプの破損につながります。
●高架水槽への影響
屋上にある高架水槽も、貯水槽からの汚れた水が供給されれば、同様に汚染されます。
高架水槽は屋上にあるため、点検や清掃がより困難です。また、夏場は水温が上昇しやすく、細菌が繁殖しやすい環境です。
貯水槽と高架水槽、両方を適切に清掃しなければ、水質を保つことはできません。
●修理・交換費用の高額化
貯水槽や関連設備が劣化し、修理や交換が必要になると、非常に高額な費用がかかります。
・貯水槽本体の交換
貯水槽本体を交換する場合、数百万円から数千万円の費用がかかります。マンションの規模や貯水槽の容量により異なりますが、大規模修繕に匹敵する負担となります。
・配管の交換
貯水槽からの配管を交換する場合、配管ルートによっては壁や床を解体する必要があり、工事費用が膨らみます。
・ポンプの交換
給水ポンプの交換には、1台あたり数十万円から百万円以上かかります。多くのマンションでは複数台のポンプが設置されており、すべてを交換すると大きな負担となります。
●予防保全の重要性
年1回、数万円から十数万円の清掃費用をケチった結果、数年後に数百万円、数千万円の修理費用が発生する。これは、経済的に非常に不合理です。
◆定期的な清掃は、単なる法的義務ではなく、設備を長持ちさせ、将来の高額な修理費用を防ぐための「予防保全」なのです。
一般財団法人マンション管理センターの調査によると、適切な維持管理を行っているマンションは、設備の寿命が平均して1.5〜2倍長くなるというデータがあります。
「今お金をかけるか、後でもっと大きなお金がかかるか」という選択です。賢明なオーナー様、管理組合様は、予防保全の重要性を理解し、定期的な清掃を実施されています。

③ソウアの貯水槽清掃サービス
●法令に基づいた適切な清掃
株式会社ソウアでは、貯水槽清掃作業監督者の資格を持つスタッフが、水道法に基づいた適切な清掃を実施します。

~清掃の流れ~
事前の水質検査
貯水槽内の水を排水
タンク内部に入り、底部の沈殿物を除去
壁面・天井をブラシやスポンジで洗浄
高圧洗浄機で隅々まで洗い流し
消毒液による消毒
水を張り、水質検査
報告書の作成・提出
すべての工程を、安全管理を徹底して実施します。
・設備点検も同時実施
清掃と同時に、貯水槽の設備点検も行います。
タンクの亀裂や損傷
マンホールの密閉状態
通気口の防虫網の状態
オーバーフロー管の状態
ボールタップなどの部品の作動状況
配管の状態
異常を発見した場合は、すぐにご報告し、必要に応じて修理や交換をご提案します。早期発見により、大きな故障を防げます。

・高架水槽も忘れずに
屋上の高架水槽も、貯水槽と同様に年1回の清掃が必要です。
高所作業となるため、安全帯の使用、足場の確保など、労働安全衛生法に基づいた適切な安全対策を講じて作業します。
・清掃とメンテナンスの一体化
弊社は、マンションの日常清掃・定期清掃も行っています。清掃と貯水槽清掃を同じ会社が担当することで、情報共有がスムーズになり、建物全体の状態を総合的に把握できます。
「日常清掃中に、貯水槽周辺で水漏れを発見」
「給水ポンプから異音がする」
こうした小さな異常を早期に発見し、対処することで、大きなトラブルを未然に防ぐことができます。

まとめ:貯水槽清掃は居住者の健康と財産を守る投資
貯水槽・高架水槽の清掃点検が必要な4つの理由をまとめます。①法的義務
水道法で年1回以上の清掃が義務付けられており、違反すれば罰則の対象となる。
②健康被害のリスク
汚染された貯水槽では、レジオネラ菌や大腸菌などが繁殖し、重篤な健康被害を引き起こす危険がある。
③水質の悪化
濁り、異臭、異味など、日常生活に直接影響し、居住者の満足度低下やマンションの資産価値低下につながる。
④設備の劣化と故障
定期清掃を怠ると、貯水槽や関連設備が劣化し、将来的に高額な修理・交換費用が発生する。
これらすべてが、「年1回の清掃」という予防保全により防ぐことができます。
清掃のご依頼を承ります
株式会社ソウアでは、マンションの貯水槽・高架水槽の清掃点検を承っております。
「清掃の時期が近づいている」
「何年も清掃していない」
「水質に不安がある」
どのようなご相談でも、お気軽にお問い合わせください。
お見積りは無料です。現地調査を行い、貯水槽の状況を詳しく把握した上で、適切なプランと明確な価格をご提示します。
居住者の皆様の健康と安全、そしてマンションの資産価値を守るため、定期的な貯水槽清掃を実施しましょう。
