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養生も、仕上がりを支える仕事。

~改修現場の写真から見る、作業前のひと手間~

工事や清掃の写真を見るとき、きれいになった壁や床に目が向きがちです。その手前にある、透明なシートやテープにも注目してみてください。
作業する部分のすぐ隣には、汚したくない壁や、保護したい設備があります。周囲をどう扱うかを考えることも、仕上がりにつながる準備の一つです。


今回は、改修現場で共有された階段まわりの写真から「養生」を紹介します。
壁面、照明、手すりと、覆われている場所を順に見ていくと、ひとくちに養生といっても、場所の形に合わせて準備していることが分かります。
共有された作業記録をもとに、改修後の美装・清掃にも関わる株式会社ソウアの立場から、建物を整える仕事の手前にある準備に目を向けます。

■ 養生は「ここを作業する」「ここを守る」を分ける準備

建物の中には、タイル、塗装面、金属、照明器具など、性質の違うものが隣り合っています。一つの面で作業をするときも、その周囲まで同じように触れたり、同じ材料を付けたりしてよいわけではありません。作業に伴う汚れや接触から周囲を保護するために、シートやテープなどで必要な部分を覆う準備が養生です。


見るポイントは、覆った広さだけではありません。「作業する面との境目はどこか」「端や角はどうなっているか」「近くの設備はどんな形をしているか」。この三つを意識すると、普段は背景に見えるシートにも意味が見えてきます。
使う材料や覆う範囲は、作業の内容と保護する相手に合わせて考える必要があります。


壁面のシートと、その端を留めるテープ。窓や壁際の境目に注目します。

■ 壁面を覆うシートと、窓まわりの境目

一枚目の写真では、階段の壁面に透明なシートが広がり、窓の周囲や壁際に緑色のテープが見えます。シート越しにタイルの模様が見えるため、壁そのものと、その手前にある保護用の面を見分けられます。

広い面を覆うシートと、その端を留める部分は、セットで見たいところです。面だけを見ていると分かりにくい養生の範囲も、窓の縁や壁の角へ視線を移すと捉えやすくなります。
記事内の図解では、この「面を覆う部分」と「境目を留める部分」を示しています。

今回の写真から確認できるのは、シートとテープが配置されている状態です。写真に写らない箇所まで覆われているか、何をどの程度防げる仕様かまでは読み取れません。養生の全体を確認するときは、写真の印象だけで判断せず、作業範囲と照らし合わせることが大切です。

頭上の照明と壁面の上端。作業する面の近くにある設備も見ます。

■ 壁だけでなく、頭上の照明にも目を向ける

二枚目では、壁面に加えて、頭上の照明を覆う透明な材料とテープが写っています。
壁を見ているだけでは見落としやすい設備も、視線を上げることで確認できます。

建物の管理側から作業を依頼するときは、「壁の作業」とひとまとめにせず、近くにどんな設備があるかを伝えると、準備の相談が具体的になります。照明のほかにも、スイッチや案内表示など、作業場所の近くにあるものを整理しておくとよいでしょう。

照明まわりの扱いは、器具の仕様や作業中の使用条件によって異なります。この写真を、そのまま別の照明に使える養生方法の手本とすることはできません。写真で見える工夫を知ることと、実際の施工方法を決めることは、分けて考えたいところです。

手すりに沿う保護材。細長い部分から、支柱の付近まで追います。

■手すりは「面」ではなく「形」に沿って見る

三枚目の写真には、手すりに沿う透明な保護材が写っています。壁のように広く平らな面とは違い、細長い部分や支柱が接する部分を持つ設備では、養生の見え方も変わります。

図解では、手すりに沿っている部分と、支柱の付近へ視線を誘導しています。
写真を見るときは、一か所を覆っていることだけでなく、続く部分がどうなっているかを追ってみると、準備の細かさが伝わります。

階段は人が移動する場所でもあります。工事中にどこを通れるか、どの設備を使えるかは、現場の案内や管理者の指示に従って確認する必要があります。保護材が写っていることだけをもって、通行できる状態と判断することはできません。

■ テープは、色だけで選ばない

養生の写真では緑色のテープが目立ちますが、色だけで製品の種類や使える場所を判断することはできません。貼る相手の材質、表面の状態、貼っておく期間、周囲の環境も確認したい条件です。

たとえば日東電工の床用養生テープの製品案内でも、貼る面の材質や期間、環境によっては、はがす際の表面の剥がれや、のり残りが起こり得ると説明されています。養生用と書かれていても、どの面にも同じように使えるとは限りません。製品ごとの用途と注意事項を確認することが基本です。
なお、今回の現場で使用されたテープの製品名は特定していません。参照した製品が、この現場で使われているという意味ではありません。

■ 作業を頼む前に、写真と一緒に伝えたいこと

養生や工事後の清掃について相談するときは、作業したい部分のアップだけでなく、周囲も入った写真があると状況を共有しやすくなります。窓や照明との位置関係、手すりや出入口まで写っていれば、作業する場所と、その近くにあるものを一緒に確認できます。

あわせて、建物を使いながらの作業か、利用しない時間帯に行うか、通行を確保する必要があるかを整理しておくと、工程を相談しやすくなります。見えている汚れだけでなく、「どの部分を使い続けたいか」も、現場の条件の一つです。

工事後に清掃を入れる場合は、工事と清掃の範囲、養生を外す工程との前後関係を、関係者の間で確認しておくことも大切です。養生を外す担当や設備を扱う担当が、清掃の担当と同じとは限りません。仕上げに入るタイミングを揃えることで、必要な範囲を具体的に相談できます。

■ 仕上がった面の手前にも、仕事がある

壁面を覆うシート、照明の周囲にあるテープ、手すりに沿った保護材。今回の三枚には、作業する場所のそばにあるものへ目を向けた準備が残っていました。完成後には見えなくなる部分にも、現場を整えるための仕事があります。

株式会社ソウアでは、建物の清掃や改修後の美装について、現場の状況と作業範囲を確認しながらご相談を承っています。工事後のお手入れが気になるときは、現況写真と、清掃したい場所・時期を添えてお知らせください。

清掃の対応内容:https://soua-tatemono.com/others/

お問い合わせ:https://soua-tatemono.com/inquiry/

参考:日東電工「養生用テープ(床用)No.395N」製品案内・使用上の注意 https://www.nitto.com/jp/ja/products/maskingtape/curing001/

掲載写真:改修現場の共有記録。写真の養生施工を、当社の施工実績として紹介するものではありません。    

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